初心者にもおすすめ!ウェザリングで成形色のガンプラをかっこよく質感アップ
最近のガンプラは色分けが優秀なので、組み上げれば設定に近い配色に仕上がりますよね。
でも、「せっかく組んだからには全塗装して更にクオリティーを上げてみたい」そんな方も多いと思います。
でも、お住まいの住宅事情や作業時間が取れないなどでなかなか塗装までおこなえない、そんな方も多いと思います。
そこでこの記事では、無塗装状態のガンプラの質感をアップするウェザリングの方法をまとめてみました。
ウェザリングに挑戦してみたい方の参考になればうれしいです。
ガンプラへのウェザリング手順
私は以下の手順でウェザリングを進めています。
ガンプラの各パーツへクリアコート
組み立てた状態ですぐにウェザリングカラーなどのウェザリング用塗料を塗っても、プラスチック特有のすべすべの表面にはなかなか塗料が定着してくれません。
そこで、組み立て後にまずは各パーツをバラしてクリアコートを吹きます。
全てのパーツを吹き終わったら、半日程度(暖かい季節なら3時間ほど)乾燥させます。
クリアコートには「光沢」「半光沢」「つや消し」といった種類がありますが、ウェザリングには「半光沢」か「つや消し」を使用した方が塗料が定着しやすくなるのでおすすめです。
私が使用しているのはアサヒペンのクリエイティブカラースプレーマットクリアです。
私はウェザリングの途中で何度か状態保持のためにクリアコートを吹くため、300mlと容量の多いこの商品はコスパが良くて重宝しています。また、近所のホームセンターでも手軽に購入できる点もポイント高いです。
ただし、部分塗装を行っている場合にあまり量を吹き付けると塗料が滲む場合があるのでその点は注意が必要です。
私の経験ではカラーメタリック系のマーカー塗料でそのようなことがおこりました。
ガンプラの各パーツへフィルタリング
先程のクリアコートが完全に乾燥したらフィルタリングに入ります。
このフィルタリングでは、主に装甲材質の褪色や変色による色味の変化を表現します。
装甲材質そのものの変化なので、私はいつもこのフィルタリングからウェザリングをスタートさせています。
このフィルタリングで使用するのは、クレオスのウェザリングカラーです。
私は最初の色としてウェザリングカラーのマルチホワイトをよく使用しますが、ガンダムのようにベースが白いMSや、宇宙での活動がメインのMSならマルチグレイ、地上で活動するMSならホワイトダストなど、そのMSの活動場所をイメージして決めています。
ウェザリングカラーの使用方法ですが、まずは瓶をよく振って塗料を撹拌させた上で、上澄み部分を塗っています。
取皿に底の方のドロッとした部分を移して専用溶剤で薄めて使用する方法もありますが、私は作業環境的に洗い物は極力少なくしたいので上記の方法で塗っています。
ちなみに、ウェザリングカラーにはブラシは付いていませんが、接着剤用のブラシを取り付けることができます。
小さいパーツや細かく入り組んだ部分などを塗る際に非常に便利なので、ぜひオススメしたいアイテムです。
Mr接着剤用筆セット、これを付けることでウェザリングカラーの作業効率が格段にアップするのでおすすめです。
その後は半乾き状態の時にキムワイプで拭き取ったり、専用の溶剤を筆や綿棒に付けてあえてムラになるような感じに落とします。
このフィルタリングは、1色だけ塗った状態だとちょっと微妙な仕上がりに感じられますが、その上からさらに他の色を重ねていくことでどんどんガンプラの深みが増していきます。
その際は前の色が完全に乾燥してから塗り重ねた方が良いでしょう。不完全な乾燥状態だと双方の色が混ざり合ってしまう可能性があります。
それはそれで面白い効果が生まれますが、基本は完全乾燥後に次の色を重ねていきましょう。
乾燥時間は作業環境で変ってくるのでなんとも言えないのですが、拭き取り後1時間以上は見ておいたほうが無難です。
私は作業時間がいつも平日の就寝前になってしまうので、1色塗ったらだいたい力尽きて寝てしまいます。なので実質丸1日が乾燥時間ってことになりますね。(だからなかなか完成しない)
以下は、私が過去に制作したHG νガンダムのフィルタリング工程の写真です。
デカールのユニコーンの角の先端部に隙間ができていたため、塗料が溜まってしまいましたが、この後のチッピングやドライブラシで目立たなくします。
フィルタリング前の状態
今回はブルーグレー基調にしたかったのでシェードブルーからスタートです。
デカールのユニコーンの角の先端がよれ、塗料が溜まってしまいました。
第二段階ではマルチグレーを重ねました。
第三段階ではマルチホワイトをこれまでより薄めにしてドライブラシの要領で重ねました。
塗るというよりは払う感じのストロークです。
[HGUC νガンダム]ウェザリング+部分塗装でガンプラに手軽にかっこいい質感表現!
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フィルタリングの注意点
フィルタリングで使用するウェザリングカラーは、油彩ベースの塗料なのでエナメル系塗料に比べパーツが破損しにくいのですが、それでも100%安全というわけではありません。
実際私もパーツの破損を経験していて、それはほぼ確実にこのフィルタリングのときに発生しています。
なので私は以下の点を気をつけてフィルタリングをおこなうようにしています。
フィルタリングは、パーツ全体にウェザリングカラー塗って(塗りたくると言ったほうがいいかも)いきます。その結果たくさんの塗料を使うことになるのですが、それが原因で割れることがあるようです。
塗料がパーツの細かな傷から浸透して割れてしまうということなので、私は塗料を取った筆を一度キッチンペーパーで拭き取り、塗料の量を抑えてから塗るようにしています。基準としては塗ったあとに塗料がツーとたれていかない程度でしょうか。
私が破損したパーツは関節パーツでしたが、関節パーツのように何かしらの力が加わるパーツは破損しやすいようです。
恐らく関節パーツは他のパーツをはめ込んだり、動かしたりすることが多い部分なので、その際にできた小さなキズから塗料が浸透してしまったのだと思います。
HGザク2の手首パーツです。ハンドパーツをはめ込んだ状態でウェザリングカラーを塗ってしまったのが良くなかったのかもしれません。
HGギャン(リバイブ)。こちらも前腕と上腕を接続した状態でウェザリングカラー塗っていました。
対策としては組み立て前のなんの力も加わっていないランナー状態でフィルタリングをおこなえば安全な気もしますが、後からのゲート処理で塗膜が削れたり、全体のバランスが取りにくいといったデメリットもありますね。
なので私は、関節パーツについては割れのリスクをある程度覚悟して、他のパーツより塗料の量をさらに抑えて塗るか、より安全なリアルタッチマーカーやウェザリングマスターを使用しています。
ちなみにアンダーゲートでゲート処理が少なくてすむリバイブ版の百式ときには私はランナー状態ですべてのフィルタリングをおこないました。
キットによってフィルタリングの方法を変えてみるのもいいかもしれません。
HG百式(リバイブ版)のようにアンダーゲートのキットはランナー状態でウェザリングカラーを塗った方が作業効率がいいです。
ウォシング
フィルタリングが装甲材質そのものの状態変化を表現する手法なら、ウォッシングは外的要因でついた汚れを表現する手法と言えばいいでしょうか。
例えば雨だれや泥汚れ、錆汚れ、爆風でついたすす汚れ等がそれに当たるかと思います。
基本的にはウォッシングもフィルタリングと使用する道具はほぼ同じで、私はウェザリングカラーをここでも使用します。
作業についてもほぼ同じですが、フィルタリングがパーツ全体にウェザリングカラーをまんべんなく塗って拭き取るのに対し、ウォッシングでは汚れが付きそうな箇所にピンポイントに塗っていきます。
それを拭き取る点はフィルタリングと同様ですが、雨だれなら重力方向(下方向)に向かって拭き取る、爆発によるすす汚れならまだら状に拭き取るなど、拭き取り方を工夫します。
その際はキムワイプより綿棒のほうが細かい動きに鯛尾できるので、リアルな汚れを表現できます。
写真は仕上げまで進んでしまったグフの足ですが、所々でウェザリングカラーのグランドブラウンとステインブラウンを組み合わせてサビの表現を加えました。
ウォッシングの注意点
フィルタリングと注意点はほぼ同じですが、フィルタリングに比べると使用する塗料の量が少ないので、パーツ破損のリスクはそれほど高くないと思います。
スポンジチッピング
ウォッシングが汚れなら、スポンジチッピングやドライブラシは傷を表現する技法になります。
その中でもこのスポンジチッピングは飛散した破片などで生じたような大きめの傷を表現するためにおこないます。
方法はかなりお手軽です。まずはお100均等で売っている掃除用のスポンジ適度な大きさにカットし割り箸などで掴みます。
そして塗料を着け、よく拭き取った上で傷を表顕したい箇所にポンポンと押し付けます。
使用塗料はクレオスの水性ホビーカラー焼鉄色を使用しています。
基本的にはパーツのエッジ部分を中心にポンポンしていけばそれらしい傷を表現できると思いますが、その機体の戦闘状況等をイメージしてパーツの面部分にもつけていけばよりリアルになりますね。
スポンジチッピングの注意点
スポンジにつけた塗料はキッチンペーパーなどでよく落としましょう。塗料が多いと派手な傷(傷にすら見えないことも)表現になってしまいます。
私は何度も軽くポンポンしてようやく付く位まで拭き取ってからおこなっています。
あとは最初は少なめに傷をつけていき、様子を見ながら増やしていったほうがいいかもしれません。
ドライブラシ
ドライブラシはスポンジチッピングで付けた傷よりも小さい、擦り傷のようなものを表現する際におこないます。
使い古した平筆でいいので、塗料をよく拭き取り、スポンジチッピングで付けた傷周りを中心にポンポンと押し付けていきます。
私はターナーのジャパネクスカラーの黒銀を主に使用しています。
普通の銀より落ち着いた色味で、露骨な傷表現になりくい点が気に入っています。また、微細な粒が塗料に含まれているので、ちょっとしたテクスチャー効果が傷表現にピッタリだと思います。
まあ、塗料を十分に落としてからおこなうので本当に隠し味程度なんですけど。
ドライブラシの注意点
スポンジにチッピング同様、つけた塗料はキッチンペーパーなどでよく落としましょう。
ウェザリングマスターやリアルタッチマーカーで仕上げ
ウェザリングカラーは流動性が高い塗料のため、球面やエッジなどに色が乗りくい場合があります。そういった部分にはクレオスのリアルタッチマーカーや、タミヤのウエザリングマスターを使用して色を補います。
どちらも色数が豊富なので、もうちょっと汚れや傷、褪色表現を加えたい時も重宝しますよ。
ちなみに、ウェザリングマスターは1セット3色入っていますが、ブラシは1本のみなので使っているとブラシがもっと欲しくなると思います。
そんな時はダイソーのこのアイテムがあると、1色ごとにブラシを持てるので便利ですよ。
純正に比べると若干強度が弱い気もしますが、使い捨てのつもりでガシガシ使えばいいと思います。
ダイソーのロケット型アイシャドウチップがあると、ウェザリングマスター1色ごとにブラシを持てるので便利です。
また全体のバランスを見て再度ウェザリングカラーも使用します。例えばもう少し退色させたい部分にマルチホワイトをドライブラシの要領で薄く塗ったり、変色させたい箇所にベースの色と全く違う色を塗ってみたりと言う感じです。
ウェザリングカラーは下地の色を活かすので、「この色使って大丈夫か?」って色でも意外と面白い効果になったりします。
そういったところに製作者の個性が出たりすると思うので、思い切った色の組み回せもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
すべての工程を終えたHGνガンダムのシールド。
デーカルのよれた箇所に溜まった塗料も、スポンジチッピングやドライブラシ、ウェザリングマスターで目立たなくなりました。
ウェザリングはガンプラのあれやこれやを誤魔化せます(笑)
以上が、私がおこなっているウェザリング作業になります。
ウェザリングは質感の表現ができるだけでなく、副次的なメリットとして工作の失敗や粗を誤魔化してくれるメリットもあります。
例えばゲート跡が少しえぐれたり、白化してしまっても、その部分にスポンジチッピングをおこなうことで隠すことができますし、ヤスリがけして少し荒れた表面や、合わせ目処理がうまくいかずにうっすら残ってしまった部分も、フィルタリングやウォッシングの過程でほぼ目立たなく(完全にではないですけど)なります。
私は工作作業が苦手なので毎回なにかしらポカしますが、ウェザリングをおこなうことでなんとか助けられてます。
また、部分塗装で他の成形色の色味と微妙に違ってしまった場合なども誤魔化せますよ。
ガンプラへのウェザリングに挑戦してみませんか
まだまだキットによってはお目当てのガンプラを手に入れにくい状態が続いていますが、そんな今だからこそ、そのキットを買ったつもりでウェザリング系のツールを購入してみてはいかがでしょうか。
私も目当てのキットを買えない日々を過ごすうちに、ウェザリングカラーやウェザリングマスターが全色集まってしまいました。
でもそのおかげで重ねる色のパターンが増え、多彩な質感の表現ができるようになったと思います。
作業時間は確かに増えますが、質感がどんどん上がっていくキットを見ていると、やめ時がわからなくなるくらいです。
この「やめ時」を決めるのが実は一番難しいかもしれません。
もしウェザリングに興味がある方、作業自体は思っている以上に気軽にできますので、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。